東京国際映画祭が10周年を迎えた同年は、ちょうど映画生誕100周年にあたり、「特別招待作品」ではフランス映画史における記念碑的作品『リュミエールの子供たち』を上映し、映画の100歳を祝福した。
また、「ヤングシネマ・コンペティション」の審査委員長に決定していたクシシュトフ・キェシロフスキ監督が会期直前に体調を崩し、急遽、アンリ・ヴェルヌイユ監督が任命されるという出来事もあった。一方では、東京国際映画祭で長年親しまれた「ニッポン・シネマ・クラシック」が始まった年でもある。“映画生誕百年祭実行委員会”のメンバーである山根貞男と蓮實重彥、両氏によって上映プログラムが組まれ、50年ぶりの公開となった成瀬巳喜男監督の『噂の娘』をはじめとした数々の“幻の映画”が上映された。
そして同年から1999年まで続く、東京国際映画祭の運営母体である財団法人東京国際映像文化振興会(財団法人日本映像国際振興協会を経て、公益財団法人UNIJAPANに発展)による新人監督を対象とした製作活動の助成プログラムがスタート。初年度は是枝裕和監督の『幻の光』が対象作品として選ばれた。
1. ヤングシネマ審査委員のふたり、ティモシー・ダルトンさん(左)とヴィヴィアン・ウーさん。 2. 特別招待作品『フランスの女』の上映に際して挨拶するエマニュエル・ベアールさん。 3. メル・ギブソンさんが製作・監督・主演した『ブレイブハート』が特別招待のオープニング上映に選ばれた。 4. 中国映画の巨匠キン・フー監督(左から4人目)を囲む若き台湾の映画人たち。左から女優の伊能静さん、男優のリェン・ピートンさんとリン・チャンさん、(キン監督を置いて)ホウ・シャオシェン監督、男優のガオ・ジエさん。 5. 『白い風船』でヤングシネマ部門東京ゴールド賞に輝いたジャファル・パナヒ監督(右)と審査委員マラン・カルミッツ氏。 6. 招待上映作品『君さえいれば 金枝玉葉』主演のレスリー・チャンさん(右)とカリーナ・ラウさん(中央)。レオン・カーフェイさんも駆けつけての3ショット。