今回の映画祭は、六本木ヒルズ(港区)、Bunkamura( 渋谷区)の2会場を中心に行われた。会期前日にはオープニング・イヴと題してウォン・カーウァイ監督の『2046 』が上映され、六本木ヒルズ・アリーナには、同作に出演している木村拓哉さんが来場。初日には、六本木けやき坂通りにレッドカーペットが敷かれ、華やかな9日間の幕開けとなった。第17回開催では、それまでの東京国際映画祭の歴史上で過去最高の動員数を記録した。
また同開催から、多彩で個性的な日本映画を国内外に向けて紹介する「日本映画・ある視点」部門が新設されたほか、国内外のコンテンツ・ビジネス関係者のためのマーケットとしてTIFFCOMを設立。「東京国際フィルム&コンテンツマーケット2004」など、映画のみならずアニメ、ゲーム、キャラクターなども対象とした総合エンタテインメント・コンテンツの4つのマーケットが開催された。
さらに、世界の映画界に貢献した映画人に贈られる“黒澤明賞”も生まれた。この賞は、日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を永く後世に伝え、日本文化の再創造への象徴となり、広く世界の映画文化の発展に貢献することを目的に設立。記念すべき第1回受賞者はスティーヴン・スピルバーグ監督と山田洋次監督となった。