記念すべき15回目にふさわしく、オープニング・セレモニーは数々の名作の影絵とともに『ニュー・シネマ・パラダイス』のテーマソングで幕を開けた。続いて作曲家の久石譲さんと新日本フィルハーモニー交響楽団とのミニコンサートを開催。スペシャル・ゲストにはスティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズさんを招くなど会場は大いに盛り上がった。世界情勢と対峙する企画として東京国際映画祭では、平和への願いを込め、トルストイ原作『戦争と平和』の再上映を行った。映画史上屈指の超大作である本作は、モスクワでの初公開時は8時間27分、日本初公開版は6時間13分。東京国際映画祭での上映はディレクターズ・カット版の7時間10分だった。また前年まで「シネマプリズム」の名で親しまれてきた部門が、「アジアの風」の名のもとに再出発。上映対象をアジア地域の作品に限定したプログラムとなった。
そして「ニッポン・シネマ・クラシック」では、昭和から平成まで歌い継がれ日本人の心に残るヒット曲を生んだ懐かしい日本映画の数々を上映。同企画のオープニングには、演歌歌手である氷川きよしさんがゲストとして来場し、「哀愁列車」などの昭和歌謡を熱唱した。