第19回の映画祭は、日本発のコンテンツを海外へ向けて発信するマーケットTIFFCOMと、アニメ、ゲーム、マンガ、キャラクター・グッズの聖地ともいえる“AKIHABARA”で開催する「秋葉原エンタまつり」とともに、三位一体となって展開した。主要4部門の上映に加え、今村昌平、市川崑、鈴木清順各監督の作品を特集して、日本映画の一時代を築いた名匠たちの軌跡を再確認する試みを行ったこともこの回の特色。
また、音楽と映画との関係に焦点を当てた企画「シネマ・ヴァイブレーション/音楽と映画の共振関係」を実施。音楽にまつわる映画の上映に加え、六本木ヒルズ・アリーナでもクロージング・イベントとしてスペシャルライブを催した。一方では、映画批評家を育てるプロジェクトを始動。「コンペティション」部門の上映作品に対する批評を募集し、顕彰を行った。
1. オープニングの特別招待作品『父親たちの星条旗』原作者のジェームズ・ブラッドリー氏(右)、ジェームズ・ブラッドフォードさん(中央)、アダム・ビーチさん(左)。 2. 『OSS117 私を愛したカフェオーレ』で東京 サクラ グランプリを受賞したミシェル・アザナヴィシウス監督(右)。その6年後、『アーティスト』でオスカーを獲得するとは! 監督の左隣りは女優のオーレ・アティカさん、その隣は音楽担当のルドヴィック・ブルス氏。 3. 黒澤明賞の審査委員を務めた山田洋次監督は、自身も第17回の2004年に同賞を受賞した。 4. 特別招待作品『ファウンテン 永遠につづく愛』のダーレン・アロノフスキー監督(左)とプロデューサーのエリック・ワトソン氏。 5. 『М』で日本映画・ある視点部門特別賞を受賞した主演の高良健吾さん(左)と廣木隆一監督。高良さんはp.106からの対談もお読みください。 6. アジアの風では「マレーシア新潮」の特集上映が大反響を呼んだ。左から、ワールドプレミア『ムクシン』を含む4作品が上映されたものの、残念ながら2009年に他界したヤスミン・アフマド監督、『Rain Dogs』のホー・ユーハン監督と出演・音楽担当のピート・テオさん。 7. 特別招待作品『犬神家の一族』がクロージングに選ばれた市川崑監督(左)と角川歴彦チェアマン。市川監督はこの年、黒澤明賞にも選ばれた。