オープニングを六本木ヒルズ(港区)で迎え、Bunkamura(渋谷区)で幕を閉じた第18回開催。この回より、東京国際映画祭の「コンペティション」の最高賞である“東京グランプリ”は、日本文化を象徴する桜を冠した“東京 サクラグランプリ”に生まれ変わった。
オープニング、クロージングの各作品には、アジア諸国間のコラボレーションによって製作された『単騎、千里を走る。』『力道山』をそれぞれ上映。そのほかの上映作品にも、近年のアジア映画人の境界なき交流や世界的な活躍を象徴する作品が集まった。TIFFCOMを中心としたマーケット企画では、ビジネス・マーケットのほかに、国際的にもアニメやゲームなどコンテンツ・ビジネスの聖地として注目を集める街“AKIHABARA”全体を舞台にしたイベント「秋葉原エンタまつり」も開催された。
東京国際映画祭は、常に映画界を映す鏡であると同時に、映画界を照らす光源となることも意図している。第18回開催は、日本から世界へ発信される文化、とりわけアニメやコミックス、ゲームなどの映画だけではないエンタテインメント・コンテンツの影響を受けてきた世代による作品が、広く映画ファンに親しまれ、世界へと羽ばたいていることの象徴となった。同年、渋谷区の映画館は21館。渋谷においては、特にミニシアターが増加傾向にあり、年が明けた2006年にはその数が25館にまで増加した。