第4回東京国際映画祭1991年9月27日~10月6日
世界では国家の分裂が立て続けに起きた同年、「インターナショナル・コンペティション」では第3回開催に引き続き、ユーゴスラヴィアからライコ・グルリチ監督の出品作が上映され、監督の来場もありました。一方では、「インターナショナル・コンペティション」の審査員としてソビエト連邦より映画評論家のアンドレイ・プラホフ氏が任命され、「ヤングシネマ1991コンペティション」にも同国の「さまよえるオランダ人」が出品されました。同年末にはソビエト連邦が崩壊。アジアで開催された東京国際映画祭にも、確かに世界情勢が映りこんでいました。
また、カンヌ国際映画祭の協力によって催された「カンヌ国際映画祭“ある視点”部門」では、国際映画祭の交流が行われ、「ハイビジョン・シンポジウム」ではデヴィッド・パットナムさん、ピーター・グリーナウェイ監督、ヴィム・ヴェンダース監督、黒澤明監督が新時代の映像の可能性について言葉を交わしました。協賛企画「ジャックスカード東京国際ファンタスティック映画祭」においては、前年にこの世を去ったジャック・ドゥミ監督を偲ぶ回顧上映が行われました。