第3回東京国際映画祭1989年9月29日~10月8日
第3回開催は、同年の9月にオープンしたばかりのBunkamura(渋谷)をメイン会場に開催されました。日本の若手映画監督に焦点をあてた「NIPPON CINEMA NOW」や、アジア映画の展望を見据えた「アジア秀作映画週間」など、新たな部門も創設され、アジア発の国際映画祭として更に発展しました。
ポスターのデザインコンセプトは、“映画の竜宮城へ誘う乙姫様”。東京の文化拠点・渋谷に産声を上げたBunkamuraが映画ファンにとっての竜宮城さながらに、貴重な作品との出会いの場になったことは、東京国際映画祭にとっても大きな出来事でした。
また「国際映画シンポジウム」では、世界7カ国から映画史家、映画評論家などが招かれ、“映画の世紀”を振り返り、“映画にとっての古典とは何か”“映画は正しく保存されてきたのか”をテーマに意見が交わされました。協賛企画である「東京国際ファンタスティック映画祭」でも、「ジョルジュ・メリエス大回顧展」が行われるなど、20世紀最後の10年を見据え、映画文化を振り返る試みに注目が集まりました。